イラク戦争とは何だったのか

イラク戦争による犠牲者の数

イラク戦争による犠牲者の数

戦争による被害の大きさは

かつて起きたとされる戦争がある。例えばナポレオン戦争では開戦から終戦までの間に500万人の軍人を始めとした人々が戦時下において散華したとされている。例えばロシアの内戦、国情不安定な時代において均衡が保たれないまま750万人という人が死亡した。例えば第2次世界大戦、人類史という観点からして最悪最大の戦争として知られ、全世界で5,000万人という人が死亡するという忌むべき記録が残されている。

これらの事実をただ漠然と数字として見るにはあまりに現実離れしすぎている、そもそも人一人が生涯で邂逅するであろう人の数などたかが知れています。100万人なんて人を一度でも目にする機会などあるはずもなく、統計学的に眺めるくらいしか機会など存在しません。1つはっきり言えることは、生存闘争という名のもとに繰り広げられる殺し合いには必ず生者と死者、そのどちらかを必ず生み出すという事実。

そして戦争の果てに犠牲となった人も少なくない。イラク側はもちろんですが、それ以上に人的被害を一番受けた攻撃した側の中で最も大きく被害を出したのは、他でもないアメリカだった。

軍作戦の果てに生じた死者

イラク戦争により、軍人だけでなく民間人も巻き込まれて死亡しているのは例に漏れず、近代化してから主流となった銃により殺傷性は増している。この戦闘により、軍人として戦地に降り立った人間で死者は『4,804人』、民間人は『1,906人』という数字が出されている。合計しても『6,710人』という数字がはじき出されているわけだが、過去の歴史と比較して意外と少ない、などと思ってはいけない。人命が失われるとはそう安々と語られるような問題ではない。

中でもアメリカが一番の被害を受けたわけですが、その数を大まかにまとめるとこのようになります。

  戦闘員 非戦闘員 合計
解放作戦時 3,481人 934人 4,424人
国防省文官 9人 4人 13人
新作戦時 38人 35人 73人
      4,510人

アメリカが主導で執り行ったこの戦争により、実際の戦地に赴いた人だけでも4,000人以上が死亡した。もうこの数字になるだけでも容易く想像できる域を超えて、現実離れしすぎた案件へと変色してしまっている。戦争により人の命が簡単に失われているのが分かっている。

国ごとの戦死者として

ではアメリカ以外の、それ以外の国の軍人がどれだけ死亡しているのかと言うと、その数は消極的な姿勢を見せていたのが現実なのでさほど多くない。日本人の死者は出なかったのが幸いでしたが、別の意味で問題を醸しだしたものです。

実際の戦地で繰り広げられていた死者として見ても、全体的に見ればさほど多くはないものの犠牲は出ている。大まかに見ると、派遣した人数によるものだとも考えられる。

国名 派遣人数 死者数
イギリス 46,000人 179人
イタリア 3,085人 33人
ポーランド 2,500人 23人
ウクライナ 1,632人 18人
スペイン 1,400人 11人
オーストラリア 2,000人 2人

アメリカの次に当時派遣した軍人の数が多かったイギリスが挙げられ、次いでイタリアにポーランドなどが挙げられる。オーストラリアも2,000人という軍人を送り出したものの、死者は2名となっている点を見ると、前線へと送り出していたわけではないのが見て取れる。

戦争に肯定的でお国のためにと名誉を翳して戦っていたアメリカ軍人がどれほど戦場でその生命を無残に散らしていったのかが、よく分かる数字だ。軍人なんだから死を賭すことこそ名誉だ、などと考えている人もいるでしょうが、果たしてそうだろうか。生きているのだから生き残っているのが勝ちだと、そう考えるのが一般的だ。日本においてもかつての第2次世界大戦で戦争に行きたくもない人々は、国が出す大義名分を持って戦地に送られ、死ぬことこそ名誉という考えを植え付けられていた。

これらの結果からしても

これらの結果を通しても、イラク戦争によって全てが良い方向へと傾倒したのかと言われると非常に疑問しか出てこない。そしてそれを一番感じたのはアメリカ以外の国々だ。やがてイラクにあるとされた大量破壊兵器も存在せず、イラクが事前に全て破棄していたことも確認していたとアメリカが認めるなどして、そもそも戦争を起こしたのは間違いではなかったのかといった意見も噴出する。

ただ一番の被害者は他でもない、イラクに住む民間人でしょう。彼らにとっては自由を遮る障害として見られていた当時の大統領、それを打倒してこれまでにない新しい生活が築けると信じられていた。しかしアメリカ主導により混迷化、長期化する戦争は彼らの心を蝕んでいき、やがて反米思想が濃厚になっていったとされています。こうすることが正しいと言っておきながら、国情を乱すに乱しただけで何も解決すること無く、一件落着などと言えない結末をもってイラク戦争は終焉へと誘われた。

これらの考えや思惑により、他の誰でもないイラクに住む人々が世界によって翻弄されたことに他なりません。